Want you きみはだまってなさい

 今日も元気だ、クリームデニッシュ(パスコ♪パスコ♪)が旨い。相変わらず、昼はぱん♪ぱんぱぱんっ♪でございます、初志貫徹なアラフォー・こむぎ子です。お客様感謝デーだそうですが感謝すべき客人が来たらず、空を仰ぎ「嗚呼かみさま」などと呟いてみたり。してません。フィクションです。

 

 このお店にやってきて2ヶ月。
 社会復帰して2ヶ月。
 まぁ、稼げる額はごくごくわずかですが、何もしなけりゃ何も入ってこないのと違い、お客様感謝デーにお客様が来なくても私の時給は発生するというすごいシステムに感謝しながら、店内だけは磨くように心がけていますよ。

 このお店にやってきて2ヶ月。
 実に色んな種類の人間が私のテリトリーに出現しました。

 私は普通科の高校を何の疑念ももたずに卒業し、周囲は浪人して予備校に行ってでも大学に進学するような人たちばっかりで、そんな環境だったので自分も大学に進学することを進路として掲げ、クビの皮一枚ギリギリセーフな感じで合格した大学をこれまたきちんと4年で卒業した口。そんな環境下、まともに就職せずに好きなことだけをやりつつ、極貧経験もして、挙句身体も壊し、闘病生活も経験したので、同窓生の中ではわりとアウトローよりなとこに鎮座しておりました。

 無論、本物のアウトローたるやどないなものかっつうのも知っていましたので、自分はごくごく平凡な人間だと自負していたけれども、よもや40を手前にして「嗚呼」と言いたくなるような人々と濃厚に接触する日が来るなんて思いもしなかったわけで。

 

 今、一緒に働いている人々はほとんどが何も資格を持たず、今このときだけを必死に生きているタイプの人々。早くに高校を中退して以降ずっとフリーターとして過ごしている20代前半の男の子と女の子が1人ずつ。あとは私と同じ、子育て奮闘中の主婦が私も含めて3人。そして近隣店舗を複数掛け持ちしている40代前半の男性店長という構成。

 仕事を仕事とも思わず、のんべんだらりんと生きているように見える若手2人には別段腹が立たないのは、私がすでにあれこれ見てきた後だからでしょうか。ぼんやりとサボっている彼らに苦言を呈すのが大人の機微でしょうが、あえてそれをせずに静観しながら自分がやったほうがいい作業はサボらずに粛々とこなして過ごしています。

 

 そして、私の苛立ちと怒りの矛先は、今明らかに別の方向に向いているのです。

 そう。

 われわれと同世代の40代男性店長。彼に対してです。

 

 アルバイトとしてでさえ社会との接点を寸断されたまま十年以上経過し、この度やっと外に飛び出すことができた私にできることなどそんなに多くはないだろうと思っていました。恥ずかしくないように、若い頃に叩き込まれた一般教養、一般常識をもう一度自分の頭のひきだしから引っ張り出して、世間様に対して失礼のないように自分の一挙手一投足に細心の注意を払っていたのに。
 店長ときたら。

 

 

 テナント責任者として事務局に提出する要望書(=かなり公的な文書)の宛名がマネージャー個人名であるにもかかわらず・・・・・・

 

 

 「御中」

 

 

 

って一体どういうことなの、コレは(落胆)。

 

 

 

 

 冗談は身内だけでお願い。マジで。
 私、どうしたらいいのか分からなくて、こっそり「様」って書き換えたけどね。

 

 

 もちろん、彼の暴挙はここだけにとどまらず、私が入店してわずか3日目の時点で早速みんなの見ている前で客を怒らせ、それだけなら仕方ないにせよ、火に油を注ぐような発言(入店3日目の私にも「いや、それはまずいよ」と分かるレベル)をして子どもまで泣かせ、ぐっちゃぐちゃにした挙句謝りもしないという、客商売云々以前に「あんたそれ、社会人としてどうなの????」という傍若無人さで、ほとほと呆れてしまったのであります。

 

 彼は今、若手フリーター女子の方を何とかクビにしたくて色々画策しているのだけど、まっとうな訓告もしないで画策だけするものだから、すっかりこじれてしまい、なめられたまま現在に至るといった感じで、本当にどうしようもない。
 きちんと仕事をしないのだから、訓告をするというのはこの国では至極まっとうなことではなかったのですか? 長らく社会との接点を持っていなかった私の認識が甘いのですか?と一応オットをはじめとする周囲の働く大人たちにも聞いてはみたんですがね。
 仕事をサボるフリーターちゃんはまぁ論外として、訓告しない店長の方により激しい非難殺到して、私の認識が甘いのではなくただ単にあの常識が欠落した店長が何か口から発すると問題が勃発するという、ごく単純かつ当たり前な事象だったようです(笑)。

 

 昨日も、私があまりに彼のやり方にイライラしてしまい、つい尻を叩いてしまったのが裏目に出て、今朝出勤してみると「フリーターちゃんご乱心」の爪あとが店内のあちこちに(溜息)。

 そうか。できない人(オンチュウ)にできないこと(若手に対する訓告)を助言するとこうなるのか。こむぎ子おぼえた。

 とにかくオンチュウ店長にはしばらく黙ってていただきたい。もうね、他人の非常識に振り回されるだけの時間的な余裕が主婦にはないのよ。

 

 しかしながら世の中には、仕事をサボる若手くん若手ちゃん同様、何かが欠落したまま大人になって、もう誰も指摘すらしてくれないものだから仕事の足を引っ張るだけのいい大人が一定数いることも事実。オンチュウ店長がさして特別すぎるアレではなく、まじか!!??とわが目わが耳を疑うような振る舞いをする人がいるらしいのです。

 人の振り見て我が振り直せ。

 定期的に自分の中の常識や教養のレベルチェックと、認識の改定は必要だなぁと心の底から思う、まだまだペーペーのバイト・こむぎ子なのでありました。